追及質問1

 ご答弁をいただきまして、ありがとうございました。
周産期センターの件でございますが、今鳥大を使って設置が検討されているということで、今後具体的に協力体制も考えていくのだということでございますね。
 この間伺いました大分県の場合は、センターの設置費用として設計工事費が14億円、医療機器の整備に1億5,000万円ほど、合わせて15億6,500万円が使われておりまして、ちょっと私も大きな数字でびっくりしたのですが、鳥大の場合どのようなものが計画されるのかわかりませんけれども、やはり鳥取県の中核センターになるところでありますし、他県はやはり県立でやっているところも多うございますので,その辺は私たち女性のため、母子のためでもございますので、しっかり考えてあげていただけたらというふうに思っております。

 その次、奨学金の件でございます。私はまずこれと女性医師の問題を論ずる前に、先般、6月議会で、鉄永議員の奨学金制度のありようについての、知事と、そのときは坂出病院事業管理者ではなくて三原先生だったのですが、お2人の県としての医師不足に対する考え方とか、本県医療のあり方というものを基本的に聞かせていただきました。知事は、奨学金制度の本当のねらいというのは鳥大支援であると、鳥大に支援をすることによって優秀な学生を受け入れて水準を上げること、そして魅力度を増す、ステータスを上げて、ともに鳥取県の医療に取り組んでいく、そういう連携体制をつくりたいのだということをおっしゃいました。三原病院事業管理者は、そういう方向の中で、具体的に医師不足については鳥取大学医学部を卒業した卒業生が鳥大に残ることが1点、それから、ほかの大学を出た人でもいい、県内出身者を鳥大医学部に就職させることだと、こういうふうにおっしゃったわけでございます。私は素人でございますので詳しいことはわかりませんけれども、考えてみるに、この方向性は間違いはないと、恐らくこれでいいのだろうというふうに思いまして、それを前提として、きょう私立の医大生の問題と女医の確保という視点からご提言なりを申し上げたわけでございます。
 先ほど焼け石に水であるおいうお言葉がございました。ちなみに、私は2人ほど実際お話を聞きました。1人は、これは大変厳しいので、入学金の寄付とか学債を求められたけれども、一切払わなかったと。本当に最低限払わねばならないもので、単科大学の学生ですが、900万円入学時に必要だったそうです。授業料は年に平均500万円、学年で異なるそうです。仕送りは部屋代だけで、あとはどうしても足りないときに子供さんから依頼があったときに送るということでした。もう1人の方はこれは東京です。入学時に最低限必要なものは855万円だったそうです。授業料は1〜2年の間は850万円だそうです。3年から6年までは下がって250万円、ならすと大体400〜500万円ということで一緒になるようです。この方も奨学金20万円をもらっておられる。だけれども、東京ですので、20万円別口に送っているそうでございます。
 私は今、医師不足のために鳥取県がとっている奨学金制度というものがこれ一本で果たして効果があるのかという点に疑問を抱いたわけです。これは私だけではなく、政調会のときにも常任委員会の席でも議員の皆さんがそのことはいろいろご指摘になったわけでございます。現に、8年前からこういう奨学金制度、地域枠制度を導入した、全国で初めて導入した滋賀医科大学では、2年間実績が出ておりますそうで、7人の地域枠に対して残った人は4人だそうでございます。あとの3人は義務年限を果たす前に奨学金を全額返納をされて流出されたということでございます。言いかえますと、返納できるだけの余裕のある者に幾ら奨学金を貸与しても、県内に残ってくれる担保にはなり得ないということですし、これは井藤医学部長もそのような懸念を認めておられました。一方で、今お話ししたような、私立医大に進学した学生の場合は、本当に幾らでもいいから欲しいのだと。自分たちは今この制度にはのっかからないけれども、ぜひそういう制度を作ってもらえれば、やはり条件としてこちらに帰ってくることはそれはそれでいけるのだというふうなことをおっしゃっておりました。
 私は何か実態を聞いて、本当に何とかならぬものだろうかというふうに思いました。額がありますので、せめて1年に1人でも2人でもいいわけであります。何とかならぬかなということを考えております。
 もちろん政治的な基本的な姿勢としては、知事が先ほどおっしゃったような国の医師制度をきちんと整えていくことがまずもってこれは最も大切なことであろうと思いますが、現に鳥取県に今50人以上の医師不足という現状があるわけでございます。この辺について、もう一度私が述べたような実態、あるいは親御さんの思い、そういうものを含めて、本県の医師不足解消に私立の医大出身者にも大きな戦力になってもらわなければいけないというふうに私は考えますが、改めて知事にお考えを伺いたいと思います。
 三原先生の言葉をもう一度言わせていただくならば、どこの大学の出身者であろうと、専門の医者は、鳥大医学部で5年間ほどみっちりと専門教育をして専門医として育てていくのだと、そこに鳥大の力も試されるわけでありますし、あるいは私たちから言うのもなんでございましょうが、大学自体の改革、白い巨塔と言われたような、そういう大学の改革というものも問われる面も出てくるのではなかろうかと思いますが、まずは医師不足を解消するためには鳥大に人を集めなければならないのではないかというふうに思うのです。その辺をお願いをいたしたいと思います。

 知事はさすがに女性医師のことにご理解をいただきまして、大変前向きなご答弁をいただいたようでございますが、残念なのは坂出病院事業管理者でございます。案の定でございまして、反論をさせていただきます。
 県立中央病院の67人の医師のうち女性は7人、厚生病院は37人のうち5人だということをおっしゃいました。これが今までの女医の比率だったのです。先ほど言ったように、どんどんその比率が伸びているわけです。そういう状況の中で、どうするかということを私は問うているわけでございます。今までのデータでそのまま安住していたら、鳥取県は恐らく取り残されてしまうだろうと思います。
 現に、臨床心理士が今県立病院に6名いらっしゃって、そのうち3人が女医さんです。この方々がこれから結婚をされ、出産をされ、子育てをされる、そういう時期に今かかっているわけでございます。恐らくこの奨学金制度というのは最低8年後にならないと成果が出ないわけです。だから女医さんへの対策というのは早急に取り組む必要があるのだということを、私は坂出病院事業管理者にも自覚をしていただきたいと思います。
 坂出病院事業管理者は、今病院の建て直しに大変一生懸命頑張っていらっしゃいまして、私はこの間、病児保育をいろいろ現場を見て歩きました。鳥取の生協病院とか、米子の方でもベアーズという実践しておられるところを見たのですが、この病児保育というのは大変不採算事業であると、そういうお話を現場から聞かされてまいりました。恐らく女性を育てるということ、子供を育てるということ自体が、世の中の今の風潮からして採算のとれるものではないだろうと思うのですが、私はここのところにやはり手を加えていくことが病院の職員全体、あるいは県内の親と子、そこのところの施策にも非常に底上げになっていくのではないかとも思っております。
 私、これは病院事業管理者に突き詰めて問うことはちょっと酷かなということも実は内々しております。これは、少子化対策、子育て支援、医師不足解消、そういう高度な政治的な判断をぜひ知事に求めたいと思うわけであります。そのような観点から、やはり県として取り組んでいただきたいと思うのでありますが、具体的に、前向きに検討するということを知事からも、部長からもお話を伺いました。これに対して、そのような観点からもう一度お話をしていただければというふうに思いますが、知事、お願いをできますでしょうか。よろしくお願いいたします。

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